製品情報

ヘッドレスコマースとは

ECをとりまく環境の変化

コロナ禍によるEC市場の拡大

2020年からのコロナ禍によりお客様の購買行動は大きく変化しました。以前からEC利用経験のある層の購入頻度増加もさることながら、実店舗での購買を主たる購入手段としていたお客様層も対面を必要としないECの利用を始め、全体としてオンラインショッピングを楽しむお客様が急増しました。

無視できないSNSの情報拡散力

集客においては、個人の情報発信が4大メディアをも上回る情報伝達力を持つことも多くなり、InstagramやFacebook、Twitterに代表されるソーシャルメディア発信の情報拡散力は無視できない状況です。

新規顧客層を含めより多くのお客様へ自社製品を見つけてもらう、知ってもらうためにこれら情報伝達力の活用は必須となっています。

ASPサービスの増加

ECシステムとしては従来のモノリシックなECパッケージやECソリューションだけでなく、カート機能やASPサービス等数多くの選択肢があります。またクラウド環境の普及が進みWebサービスの公開が従来と比べ遥かに容易になったことでサイトの機能を充実させる「Web接客」「AI行動分析」「チャットボット」といった特定の機能を提供するサービスが続々リリースされています。

多様化する顧客ニーズに合わせたサービスと連携することで、自社開発を必要とせず、また大きな初期投資をすることもなく必要な機能をECサイトに導入することができます。

従来型ECシステムの特徴

モノリシック(一枚岩)なシステム構成

標準的なECサイトは「商品検索ページ」、「カート」や「会員ページ」等の利用者が操作するWebページやそのページ間の遷移から構成されています。

これらのページはECシステム上でお客様との接点となる機能であり、一般的には「フロントエンド」や「フロント」またはUI(ユーザインターフェース)と呼称されます。 これに対し「数ある商品から条件に応じた商品を検索する」、「注文情報を登録する」といったシステム側が実行する処理は「バックエンド」と称されます。 従来のECシステムではフロントのデザインと処理を分離している構成は多いのですが、機能についてはバックエンドと密に結びついているモノリシックアーキテクチャ採用となっているものが多く見られます。

例えば、次のような変更を加えたい場合があったとしましょう。

  • ユーザビリティ向上のため「商品画面」の表示構成を変更したいとき
  • 「カート画面」と「決済画面」の間に「確認画面」を追加したいとき
  • お客様の入力情報を増やしたいとき

導入しているECシステムがバックエンドの処理部分とデザイン部分をきちんと分離した構成であれば、表示構成の変更は容易かもしれません。しかし画面の追加や情報の追加となるとフロントだけではなくバックエンドへの変更も余儀なくされ、タイムリーに変更・リリースすることはかなり難しくなります。

従来型ECシステムとヘッドレスコマースの構成比較

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ヘッドレスコマースの特徴

ヘッドレス(Headless)とは

直訳すると「頭が無い」となりますが、ECサイトにおけるヘッドとはフロントエンドを指します。

前項のモノリシックな従来型ECサイトがフロントエンド+バックエンドを併せて構成されるのとは異なり、ヘッドレスコマースではフロントエンドとバックエンドは切り離されそれぞれが独立して存在しています。 画面やデバイスなど、お客様との接点であるタッチポイントがバックエンドに依存しない構成のため、顧客ニーズに応じた多様なフロントエンドの導入にバックエンドの制限を受けません。

ヘッドレスコマースにおけるフロントエンド(ヘッド)とバックエンドの連携。キーはAPI

API(アプリケーションプログラミングインターフェース)とは「アプリケーション」と「アプリケーション」をつなぐ接続窓口のようなものです。管理する情報や処理毎に小さな接続窓口が多数準備されており、適したAPIを使用してアプリケーションを結びつけることができます。

ヘッドレスコマースではバックエンドとフロントエンドの接続にこのAPIを使用しています。

例えば、「商品情報の取得」「お客様情報の取得」「購入登録処理」「決済処理」などの情報取得や処理を実行するAPIが存在し、フロント側の画面が商品一覧を表示する場合はバックエンド側に準備された「商品情報取得」APIを呼び出します。またカード決済によるお支払い時には決済会社が提供しているAPIをバックエンド側が呼び出すことで決済処理が実行されます。

また、これらAPIが処理する機能によってはマイクロサービスアーキテクチャと言い換えることもでき、提供するサービスに応じて必要な単機能を組み合わせることで最適な機能で構成されたシステムの導入ができます。

多様なフロントエンドの活用

InstagramやFacebook、LINEのショッピング機能、音声デバイスやウェアラブルデバイス等ヘッドレスコマースのフロントエンドとなり得るサービスやデバイスは日々生み出されており枚挙に暇がありません。 接続例としてはSNS側へ商品情報を登録、投稿された商品画像をタッチするとECサイトのカートへ商品が投入されるや、スマートスピーカーへ欲しい商品名を伝えると注文が完了する等が挙げられます。

次世代アーキテクチャであるヘッドレスコマースを採用することで容易に外部サービスをECの集客窓口とすることができ、ビジネスの展開に応じて、閲覧者への露出の拡大、潜在顧客から顕在顧客への育成をも図れます。

ヘッドレスコマースの概念

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ヘッドレスコマースの利点

オムニチャネルの推進

ショールーミング、ウェブルーミングという言葉が存在するとおり、ECサイトから、実店舗から、テレフォンショッピングから、スマホアプリからとお客様は慣れ親しんだ購入方法を選択されます。

単なるO2Oの概念に縛られず実店舗もフロントの一つととらえ、実店舗を含めた多様なタッチポイントからの情報をシームレスに連動することにより顧客体験の向上、LTVの向上を目指します。

UIデザインの自由度・UIのメンテナンス性

複数ブランドを展開するアパレル事業等であればブランドごとにブランディング戦略を有しています。それぞれのブランドイメージを実現した個別のサイトを構築したい場合にUIデザインの差別化は必須です。 基本的な色見や構成のみならず表示内容、入力項目、サイトフローといった要素でさえ自由に構築することが可能です。

またバックエンドの制限を受けないアーキテクチャであるからこそ、文言や画像の変更からWeb接客ツールやチャットボットの導入までバックエンドへの影響を気にせずにフロントを望む状態へ手を入れることができます。

ビジネスチャンスを逃すことなくお客様の求めるサイトを実現

新たなるデバイスやコミュニケーションツールの登場、マーケットの変化に迅速に追従できます。

ビジネスの拡大、サイトの認知度に併せて必要となってくる集客施策も変遷します。従来型と比較し、圧倒的な拡張性をもって企業様ご希望の構成を素早く実現することができます。

ヘッドレスコマースの将来

ヘッドレスコマースは未来型・次世代型アーキテクチャと位置付けられています。しかしながら、Googleに代表される新たなるサービス・市場ニーズ・集客・物流・顧客体験の進化・ビッグデータの活用などEC事業を構成する要素は広範囲に渡るためECビジネスを取り巻く状況は常に激動しています。そのような状況にも迅速に対応し、事業の拡大と共に日々成長を促進することができるヘッドレスコマースは既に必要不可欠な技術とも言えます。

多様なインターフェースの活用

動画コマースやライブコマースは動画SNSの影響もあって身近なものとなり、ECサイトでの活用も増加しています。VRコマースに関しては、現時点ではそれほど効果的なタッチポイントではありませんが商品レイアウトや雰囲気などさながら実店舗でのショッピングを体験でき、通信速度やUI面の向上とともに今後に期待されます。

またチャットボットもお客様からの問い合わせ対応だけではなく、AIチャットを活用した対話型コマースへと進化し商品提案から受注までをサポートするものも存在します。導入する企業も徐々に出始め顧客体験の向上に繋がっています。

上記に留まらずお客様とのタッチポイントを担うフロントエンド(ヘッド)は技術の進化、顧客体験向上を目指した発想で登場してきます。ヘッドレスコマースはこれら新たなるコマースを「組合せ」、「活用し」、「サイトの成長を」、「ビジネスの成長を」促進していけることが最大の特徴です。

EC-Connect+におけるヘッドレスコマース

事業とともに成長できるECソリューション

ヘッドレスコマースアーキテクチャを採用したEC-Connect+は、変化の大きいECビジネスに追従できるECソリューションです。 統合・拡張及びカスタマイズ性が高く市場への適合やお客様のビジネス拡大に応じてともに成長していくことが可能です。

ECを起点としたDXの実現

ECシステムは注文情報を会計システムや物流システムなどへ連携することも多く、EC運営にはバックオフィス業務もまた重要となります。それら社内システムもまたEC-Connect+ではヘッドとして位置づけており、在庫情報・注文情報とそれぞれの社内システムが必要とする情報をAPI経由で相互に連携することができます。

様々なフロントやデバイスと接続できるということは、連携したチャネルの情報をEC-Connect+で統合管理が可能とも言えます。OMSや販売管理システムとして成長させることもでき、業務の大きな変革、新たなる販売促進方法の創造とEC業務を起点にビジネスモデルへの変革を進めてみませんか。

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