COLUMN 28

データが活きる仕組みをつくるモダナイゼーション ~経営者が知っておくべき、DXの次の一手~

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データが活きる仕組みをつくるモダナイゼーション ~経営者が知っておくべき、DXの次の一手~

INTRODUCTION :

「うちもDXを始めたんだけど、思ったほど効果が出てこないんだよね」

こんな声を多くの経営者から聞くようになったのは、ここ数年のことです。
デジタル化に取り組んだはずなのに、業務は相変わらず煩雑なまま、意思決定は相変わらず経験則頼み。
なぜこのようなギャップが生まれるのでしょうか。

その鍵を握るのが、「モダナイゼーション」という考え方です。
単なるシステム刷新ではありません。
データが組織の中で“活きる”ための土台を再構築するアプローチこそが、モダナイゼーションの本質です。

古い“仕組み”ではデータは活きない

多くの企業では、膨大なデータが日々蓄積されています。
営業成績、顧客の購買履歴、在庫データ、従業員の勤務記録……。しかし、それらのデータは「ある」だけで、「使える」状態にないケースがほとんどです。

なぜか?
一つには、システムがサイロ化していることが挙げられます。
部門ごとにバラバラなITシステムが導入され、情報が統合されていないため、全社的な視点でのデータ活用ができない。
たとえば、営業部が持つ顧客情報と、カスタマーサポート部門が持つクレーム履歴がつながっていない——これは決して珍しい話ではありません。

また、老朽化したシステムの存在も問題です。
10年以上前の業務システムが依然として現役という企業は少なくありません。
保守のコストは年々増大し、柔軟な連携やデータ出力が難しい状態では、DXの足かせとなります。

モダナイゼーションとは「未来に耐える基盤づくり」

こうした状況を打開するのが、「モダナイゼーション」です。

これは、単なるITの入れ替えではありません。
「どのように意思決定を支える情報基盤をつくるか」「そのためにどんな業務プロセスを見直すか」といった、経営レベルの視点での仕組みづくりが求められます。

具体的には、以下のようなステップが含まれます:

  1. 現状の業務とITの棚卸し
    どこにデータが存在し、誰がどう活用しているのかを可視化します。
  2. クラウド移行とAPI化の推進
    各システムをクラウド化し、柔軟にデータを連携できる設計に変更します。
  3. データガバナンスの整備
    誰がどのデータを、どんなルールで使うのかを定め、統一的な管理体制を整えます。
  4. 業務プロセスの見直し
    データを活かした業務へと変革するために、不要な手作業や属人化を排除します。

これらはすべて、データを「活かす」ための土壌づくりです。

経営者に求められる視点とは

ここで、経営者に問いたいのは、「自社のデータは、経営判断に活きているか?」という点です。

売上やコストの数字だけでなく、顧客の声、製品の評判、従業員の動きといった多様な情報が、リアルタイムに一元化されているか。
そしてそれをもとに、迅速かつ柔軟な判断ができるか。

モダナイゼーションはIT部門だけの課題ではなく、経営戦略の一部です。
今後、生成AIやIoTといった新たな技術が次々と登場する中で、これらを活かすための基盤づくりは急務と言えます。

モダナイゼーションは“改革”ではなく“進化”

「業務を変えるのは大変だ」「予算が限られている」といった懸念は当然あります。
しかし、モダナイゼーションは一気にすべてを変える“改革”ではなく、段階的に進める“進化”のプロセスです。

たとえば、まずは最も業務インパクトの大きい部署のデータ連携から始め、成果を確認してから他部門へ展開する、というアプローチも有効です。
部分的な成功体験を積み重ねることで、全社的な理解と協力を得ることができるのです。

最後に:データは“資産”で終わらせない

データを単なる「資産」として保有するだけでは、企業価値にはなりません。
そのデータを、“行動につながる知見”に変える仕組みを持つことこそが、真のデジタル経営です。

そして、その第一歩が「モダナイゼーション」なのです。

データが活きる仕組みづくり——それは、未来の意思決定を支える経営基盤への投資であり、競争力を保ち続けるための根幹です。
今こそ、経営者としてその一手を打つ時ではないでしょうか。

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