COLUMN 16

BtoB-ECでも注意が必要!
情報セキュリティリスクと影響、対策について

最終更新日 2025.03.21投稿日 2025.03.21

コラム07

INTRODUCTION :

BtoB-EC(企業間電子商取引)の導入は、ビジネスの効率化や取引の迅速化に大きく寄与しています。
しかし、デジタル化の進展とともに増大するのが「情報セキュリティリスク」です。
BtoB-ECは取引金額が大きく、企業の重要情報が集まるため、サイバー攻撃の標的となりやすいことをご存じでしょうか?
本コラムでは、BtoB-ECにおける情報セキュリティリスクの具体例とその影響、さらに効果的な対策について詳しく解説します。

なぜBtoB-ECがサイバー攻撃の標的になるのか?

BtoB-ECは、企業間での大規模な取引データ、顧客情報、財務情報など、極めて重要なデータを扱うため、サイバー攻撃の格好のターゲットとなります。
さらに、BtoBの取引は取引先のネットワークとも密接に接続されるため、一度脆弱性が突かれると、被害が取引先にも拡大する可能性があります。

主な理由は以下の通りです。

  • 〇 高額取引: BtoBの取引は1件あたりの金額が大きく、不正アクセスや詐欺のターゲットになりやすい。
  • 〇 重要な機密情報: 顧客情報、契約内容、技術データなど、サイバー犯罪者にとって価値の高い情報が集中している。
  • 〇 複雑な取引ネットワーク: 取引先企業が多岐にわたるため、セキュリティ管理が複雑化し、攻撃者が脆弱なポイントを見つけやすい。

BtoB-ECに潜む主な情報セキュリティリスク

BtoB-ECを運用する上で特に注意すべきセキュリティリスクは以下の通りです。

  1. 〇 【リスク1】不正アクセスとデータ漏洩
    悪意のある第三者が不正にシステムへアクセスし、顧客情報や取引データを盗み出すリスクです。
    特に、弱いパスワード設定や多要素認証の未導入が原因で被害が拡大することがあります。
  2. 〇 【リスク2】フィッシング詐欺となりすまし攻撃
    取引先を装った偽のメールを送り、ログイン情報や機密データを盗み取る手法です。
    巧妙なフィッシング詐欺は、ITリテラシーの高い担当者でさえ騙されることがあります。
  3. 〇 【リスク3】ランサムウェア攻撃
    システムを乗っ取り、データを暗号化して復旧のために身代金を要求するサイバー攻撃です。
    BtoB-ECの取引データが人質に取られれば、ビジネスは即座に停止してしまいます。
  4. 〇 【リスク4】サプライチェーン攻撃
    取引先や外部ベンダーのシステムを経由して、自社のシステムへ不正侵入する手口です。
    自社がどれほどセキュリティ対策を施していても、取引先の脆弱性が原因で被害を受けることがあります。

情報セキュリティインシデントが企業に与える影響

BtoB-ECにおける情報セキュリティインシデントは、単なる「システム障害」にとどまりません。
企業の信頼性や事業継続に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

  1. 経済的損失
    ・ データ漏洩による損害賠償
    ・ ビジネス停止による売上損失
    ・ システム復旧や法的対応に伴うコスト
  2. 企業イメージと信頼の喪失
    一度でも顧客情報が漏洩すれば、取引先企業からの信頼は大きく損なわれます。
    特にBtoBビジネスでは、「信頼関係」が取引継続の基盤となるため、ブランドイメージへのダメージは計り知れません。
  3. 法的リスクとコンプライアンス違反
    個人情報保護法やGDPRなどの規制違反は、罰金や行政指導の対象となります。
    法的責任だけでなく、株主や取引先からの訴訟リスクも増大します。

経営者とIT担当者が取るべき情報セキュリティ対策

では、BtoB-ECの情報セキュリティリスクにどのように備えるべきでしょうか?
経営層とIT担当者が連携し、組織全体での対策を講じることが不可欠です。

  • 【経営者の視点】セキュリティ対策は「経営課題」
    経営者は情報セキュリティを単なる「IT部門の問題」と捉えるのではなく、
    企業の存続に関わる重要な経営課題として認識する必要があります。

    〇 経営層が果たすべき役割
    ・ セキュリティポリシーの策定と推進: 組織全体で共有すべき情報セキュリティ方針を明確化する。
    ・ 予算の確保: 効果的なセキュリティ対策には適切な投資が必要。コストとしてではなく、リスク回避のための「投資」として考える。
    ・ インシデント発生時の対応計画(BCP)の整備: 万が一の事態に備え、迅速な対応ができる体制を構築する。
  • 【IT担当者の視点】具体的な技術的対策の実施
    IT担当者は、実際のシステム運用における具体的なセキュリティ対策を担います。

    〇 IT部門が実施すべき対策
    ・ アクセス管理の強化: 強固なパスワードポリシー、多要素認証(MFA)の導入。
    ・ 定期的な脆弱性診断とシステム更新: セキュリティパッチの適用、定期的な監査による脆弱性の早期発見。
    ・ 暗号化とバックアップ: 重要データの暗号化と定期的なバックアップの実施。
    ・ 社員教育と啓蒙活動: フィッシング詐欺やソーシャルエンジニアリングに対する意識向上のためのトレーニング。

ケーススタディ:情報セキュリティ対策の成功事例

  1. 成功事例1:製造業C社のケース
    C社はBtoB-ECサイトを運営する中で、不正アクセスの試みが多発。
    経営層主導でセキュリティポリシーを見直し、多要素認証とAIベースの不正検知システムを導入しました。
    その結果、セキュリティインシデントが90%以上減少し、取引先からの信頼も向上しました。
  2. 成功事例2:IT企業D社の取り組み
    D社は取引先経由でのサプライチェーン攻撃を受けた経験から、取引先企業へのセキュリティガイドラインを策定。
    定期的なセキュリティ監査とトレーニングを実施することで、全体のセキュリティレベルを向上させました。

まとめ:BtoB-ECの成長とともに、セキュリティ意識を高めよう

BtoB-ECはビジネスの効率化を実現する一方で、新たなセキュリティリスクも伴います。
しかし、適切な対策を講じることで、多くのリスクを未然に防ぐことができます。

・ 経営者は、情報セキュリティを「経営課題」として捉えること。
・ IT担当者は、日常業務の中で継続的なセキュリティ強化を行うこと。
この両者が連携することで、BtoB-ECの安全性は飛躍的に向上します。

「攻めのDX」を進めるなら、「守りのセキュリティ」も万全に。
これが、デジタル時代を勝ち抜くための重要な経営戦略です。

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